退屈なんで久しぶりに更新。
前の記事に挙げたピクシーの「ゆびをふる」に関して、ちょっと気にしていたことがあるので書いておきます。
要は「イカサマ」と「炎エネルギーをトラッシュ」の問題。
ゾロアークの「イカサマ」で「自分の炎エネルギーをトラッシュする」ワザを使ったとき、ゾロアーク自身に炎エネルギーがついていない場合はどうするのか?
公式でも説明されていましたが、この効果は意味がないので無効となり、ワザのダメージだけが与えられます。かなりズルいですが処理としては当然です。相手のバトルポケモンをベンチと入れ替える効果が、相手のベンチにポケモンがいない場合に無視されるのと同じことですね。
で、過去に登場したピクシーの「ゆびをふる」にも当然この問題はあったのですが、当時はゾロアークのようなズルは許されませんでした。
ピクシーのカードの説明はこうなっています。
[相手のワザの中から1つを選び、それを自分のワザとして使う。そのワザを使うのに必要なエネルギーがついていなくてもかまわないが、ほかに必要な条件(エネルギーカードをはがしてすてるなど)がたりないときには使えない。]
で、ちょっと話が複雑になるのですが、ここに書かれている「ほかに必要な条件」というのは、あくまで「ワザを使うのに必要な条件」であって、「ワザの効果」とは別のものです。
実はPMCGシリーズまでは、ヒトカゲの「ひのこ」やリザードの「かえんほうしゃ」に代表されるエネルギーをトラッシュするタイプのワザは、ワザの効果ではなくワザを使うための条件としてエネルギーをトラッシュしていました。
つまり、まずエネルギーをすてなければワザの宣言自体ができなかったのです。
エネルギーをすててワザの使用を宣言してから、「えんまく」などの効果の判定、「こんらん」の判定が入ります。「こんらん」でウラを出して自分を攻撃しても、最初にすてたエネルギーは返ってきません。
そんなわけで、「ゆびをふる」の場合もまずエネルギーをすてる条件をクリアしなければ「かえんほうしゃ」などをコピーして使うことはできなかったのです。
そしてこの話にはまだ続きがあります。
neoシリーズに移行した際、上記のルールは改正され、この手のワザはワザの効果としてエネルギーをトラッシュするようになりました。
つまり「こんらん」でウラを出してワザ自体が失敗した場合、エネルギーをトラッシュするワザの効果もなくなるという、現在と同じ形です。
そうなると「ゆびをふる」は条件をクリアする必要がなくなりますが、そこは例の「ポケモンカードオフィシャルブック2000」でフォローされています。
ぶっちゃけると、エネルギーをトラッシュするワザの側で制限が付きました。
「ひのこ」や「かえんほうしゃ」などの説明文に、以下の旨が付け加えられています。
[トラッシュできないとき、このワザのダメージ(効果)はなくなる。]
炎エネルギーのついていないピクシーでも「ゆびをふる」で「かえんほうしゃ」を使うことはできるようになりましたが、結局ダメージは与えられないという措置です。上手く出来ていると思います。
これに伴ってピクシーの「ゆびをふる」の説明も不要な部分が消えて以下のように変更されています。
[相手のワザを1つ選び、それを自分の持っているワザとして使う。(そのワザに必要なエネルギーがついていなくても、かまわない)]
ちなみに上記「トラッシュできないとき、このワザのダメージはなくなる」という旨の説明は、neoシリーズでは一貫してエネルギーをトラッシュするワザ全てに書かれていましたが、今のウラ面になってからは消えてしまいました。それが今ゾロアークがズルを出来る理由です。
いずれにしても、現在のルールではワザを使うのに「ほかに必要な条件」などそもそも存在せず、レシラムの「あおいほのお」などにも「トラッシュできないとき、このワザのダメージはなくなる」という効果は書かれていないため、ピクシーの「ゆびをふる」もゾロアークの「イカサマ」と全く同じズルい使い方ができることになります。
ただし逆に、neoシリーズのポケモンが持つワザを使う場合は、「トラッシュできないとき、このワザのダメージはなくなる」というワザの効果に従って、ゾロアークであっても不発に終わります。
ルール環境の差異による不思議現象ですね……。
蛇足ですがPCGシリーズで登場したピクシーexの「ゆびをふる」には、「選んだワザの効果などにしたがうことができないなら、このワザは失敗する」という説明が添えられていたりします。
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